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TOMMY WALKERの運営する、Silver Rain内で活動中のキャラによるブログ。 コメントご自由に。
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記憶は消えない



この世にこの身がある限り


 
 


 
一日の終わり、時計の針がとうに0時をまわった頃。
外は街灯の光だけがぽつり、ぽつりと見えるだけ。
風呂上りで濡れている髪にタオルをかけ、冷蔵庫から出したペットボトルのお茶を開ける。
その手でカレンダーをめくれば、不意に目に付いた丸印に視線が止まった。
 
当たり前のように毎年迎えるこの日。
絶望を知った過去のあの日。
 
カレンダーに縫い付けられる視線を無理矢理外し、
否応無しにフラッシュバックする記憶を振り払うかのように髪を乱暴に拭く。
バフッ、と音をならしてソファに座れば、膝の上に凛が乗ってきた。
 
 
「…凛、もうすぐあの人の命日だよ」
 
 
暢の言葉を理解しているかのように、凛は一鳴きする。
綺麗な白い毛並みを撫でつけ、しんと静まり返る室内で気だるい体を背もたれに預ければ
秒針の音だけが部屋の中で存在を主張する。
思考を沈めれば今でも浮かぶあの光景。
一日だって忘れることのできなかったあの人の顔や、声や、飛び散った血…。
あの日感じた憎悪、無力感が、今だって気を狂わせそうなほど鮮明に残っている。
 
 
― 生きて ―
 
 
「・・・」
 
 
凛を下ろしてベランダへと出た。
まだ少し冷たい風が風呂上りの火照った頬を滑っていく。
今日は一段と星がよく見える。
だが、あの人が好きだと言っていた月が、今日は無い。
それだけで、記憶の中のあの人の記憶でさえ霞んでしまうように思えて
咄嗟に、俯いた。
 
こびりついて離れないくせに、月が無いだけで霞んでしまう朧気な記憶。
無意識のうちにそれを拒絶する体。
まだ固執しているのだと、この身を包む闇夜に突きつけられたようで…
そんな己自身に、自然と自嘲を浮かべた。
 
 
 
 
 
 
「・・・ごめん、望。
 
会いに行く時は、ちゃんと笑うから・・・―」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
冷たく身を包む風。
 
 
ぎゅっと柵を掴む手を、一線
 
 
透明な雫が流れていった・・・―。
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プロフィール
HN:
春日崎 暢
性別:
男性
趣味:
森林浴・温泉巡り・読書・猫観察
自己紹介:
■級:3年9組
■属:高校生ゾンビハンター
■生:3月22日生まれ
■在:早坂キャンパス
■身:168,1cm→174,6cm、細身、色白
■社:
◎Ein Zweck
にゃんこ結社
喫茶店「Garten des Lichtes」
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